【漢方美容連載】 知っているようで知らなかった!そもそも漢方って、なに?
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あなたは漢方と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
葛根湯などの漢方薬を思い浮かべる人が多いのではないかと思います。
実は漢方の考え方は私たちの生活のいろいろな場面で用いられています。今回は漢方養生指導士の資格をもっている筆者が、漢方の基本についてご紹介したいと思います。
目次
そもそも漢方って何?
漢方とは、葛根湯などの漢方薬だけをさすのではなく、お灸や鍼、薬膳料理など、中国医学に基づいて日本で作られた、病気を未然に防ぐ=養生の考え方の総称です。
病院で処方される漢方薬のように、病気を治すために用いられることももちろんありますが、病気にならないための普段の食事や生活スタイルの見直し、ちょっとした不調に対して行うケアにも漢方の考え方は用いられます。
漢方の考え方
漢方には中国医学に基づいて体系化された、独自の考え方があります。その基本にそって、漢方薬の処方や薬膳レシピの組み立てがなされています。
ここでは、漢方を知るうえで抑えておきたい3つの考え方をご紹介します。
<陰陽>
自然界に存在するすべての物事や現象は“陰”と“陽”に分けられるという考え方です。
陰と陽の関係は、互いに対立したり、依存したり、バランスをとりながら存在しています。
漢方では、陰陽のバランスが取れていると健康で、バランスを崩れると不調がおこると考えます。
<五行説>
自然界に存在するすべてのものは、「木」「火」「土」「金」「水」の5つに分けられるという考え方です。
この5つがそれぞれ助け合ったり、抑制し合ったりすることでバランスをとります。これは季節や身体の器官、感情なども当てはまります。
漢方では、この五行に基づいて養生や治療をおこなうことで、不調を改善していきます。
<気・血・水>
漢方では、人の身体は気・血・水の3つの要素から成り立っているという考え方です。
気は生命エネルギー。身体を温める、動かすといったすべての行動のエネルギーです。血は全身に栄養を届ける働き、水は全身をうるおす働きを指します。
気・血・水が満たされ巡っていると身体は健康で、不足したり滞ったりすることで不調がおこると考えます。
漢方美容は、3つの基本的な考え方のなかでも特に気・血・水を意識したケア(養生)が基本となります。それでは、それぞれ詳しく説明をしますね。
〈気〉
生命エネルギーである気が不足すると、倦怠感や疲労感を感じたり、風邪をひきやすくなったり胃腸系のトラブルを起こしやすくなります。
気が滞ると、自律神経が乱れてイライラしたり、お腹が張る、げっぷやおならが出る、のどにつまりを感じるなどの症状を感じます。
〈血〉
血が不足すると、顔色が悪く肌や髪にツヤがなかったり、目の疲れを感じやすくなります。
血が滞ると、身体の冷えや目の下のくま、肌荒れ、月経痛や下腹部を押したときに痛みを感じるなどのトラブルが起こりやすくなります。
〈水〉
水が不足すると肌や髪の乾燥、のどの乾き、ほてりなどを感じます。
水が滞ると身体が重くだるい、むくみやすい、おりものが多い、下痢などのトラブルが起こりやすくなります。
普段の生活に漢方を取り入れる4つのコツ
前述したとおり、漢方では身体を構成している気血水が不足したり滞るとことで不調がおこると考えます。気血水を満たし巡りをよくする生活を心がけることで健康的な美しさにつながります。
・身体を温める
ゆったりとお風呂に入る・温かい飲み物を選ぶなど、血行が良くなり気持ちがリラックスすることを行うことで身体全体の巡りが良くなります。
・巡りをよくする食材を取り入れる
気の巡りには、シソやセロリ、ニラなどの香味野菜を。血の巡りにはショウガやニンニク、らっきょうなどの辛味野菜を取り入れると効果的です。水の巡りには小豆や黒豆の煮豆やお茶などが効果的です。
<旬の野菜を食べる>
新鮮な旬の野菜は、その季節に合ったエネルギーを取り込むことができます。トマトやきゅうりなどの夏野菜は身体の水はけを良くし身体の熱を冷ます作用が、かぼちゃややまいもなどの冬野菜は身体を温めたり滋養を高める作用のあるものが多いです。
<早寝早起き>
当たり前のことのようですが、気は朝に作られると言われています。陰陽で言えば、陽の時間である朝に活動することでエネルギーを取り込むことができます。
いかがですか?
普段の生活に漢方を取り入れるのは、難しくないですよね。ぜひ、自分ができそうなものから実践してみてくださいね。
参考)
『女性のための漢方生活レッスン』 主婦の友社
『漢方の基本講座』成美堂出版
『薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』西東社
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